2011年08月17日

「綾渡の夜念仏と盆踊り」生放送




平成23年8月15日、夕方6時半からNHKで生放送するため中継車が待機していました。




 今年の練習風景について書きます。 

七月に入いると、平勝寺境内地で「綾渡の夜念仏と盆踊り」の練習がおこなわれました。

 夜七時半に盆踊りの歌い手が集合します。
教えるのは、四十六年歌い続けている田口栄治さん。
習うのは、まだ会社勤めが忙しい綾渡の中堅六、七名です。
 綾渡の盆踊りは、楽器をまったく使いません。音頭取りの歌声だけです。
昔は多くの曲があったそうですが、今は十曲だけ歌います。
教えたり、習ったりする時、難しいのは曲に楽譜がなく、口から口へと伝えなければならないことです。
人それぞれに声の高低があり、音感の違いもあります。
栄治さんはひとりひとりに細かく注意しアドバイスを与えていきます。
ここ数年は地区の古老に歌ってもらい本筋から離れないようにもしています。

 八時からは夜念仏の練習です。
男性約二十名が参加します。音頭取りが鉦を三つ鳴らし「光明遍照十方世界」とよく通る声で詠いはじめます。呼吸を合わせ「念仏衆生摂取不捨の光明は」と側の人々が唱和します。
「南無阿弥陀仏南無阿弥陀」暗い境内地に清らかな声がゆっくりと染み渡っていきます。

 ふたりいる音頭取りのひとり吉治さんは、いま入院中です。
そのために代役を立て夜念仏が続けられるよう特訓中です。

 山門のところで「門開き」が唱えられます。
私が門を開ける仕草をして念仏衆を引き入れます。
その時、私と香炉持ちの人が同時に礼拝するようそのタイミングを練習しています。

 八時半からは盆踊りの練習です。念仏衆に女性や子どもが合流して約四十五名で練習をはじめます。
綾渡で生まれ育ったフミエさん、カナエさん、三四子さんが今年つぎのような提案をされました。

 「体の向きや扇子の高さが皆少しづつ違っているように思う。私たち三人は年が多くなり昔ほどうまく踊れないが、習ったことを今なら教えることができると思う。皆は基本ができているので、ちょっと直せば揃うと思うよ」と。

 皆はこの提案に賛同しました。
今まで、見よう見まねで踊っていたので、はっきり教えてほしいと思っていたからです。
踊りの輪の中心に三人が入って踊りました。
大きな輪で踊っている人たちは、中心の三人の踊り方を見て踊ります。
それぞれ自分が疑問に思っていたところを特に注意しているようです。

 私の場合は、今まで気がつかなかった手の位置、足の運び、手拍子の打ち方、顔の向き、扇子の煽ぎ方など習うべきことがいっぱいありました。

 例年は毎土曜日に練習をしていました。
今年は豊田市視聴覚ライブラリーの撮影班が保存用のビデオを撮るということもあり、練習に熱が入っています。
木・金・土曜と続けて練習したこともありました。

 それぞれが仕事を持っていますので、練習時間を多く取ることは困難です。
しかしこの数年来、綾渡の人々の踊りに対する意識が向上していると私には思えます。

 それは綾渡の皆さんと役員の人たちがよきコミュニケーションをはかっているからだと思います。
役員の人たちは独断専行せず、皆さんの意見を汲み上げています。
そればかりではなく、肝心な時にはリーダーシップを発揮し、一定の方向に導いています。

 その成果は、きっと綾渡踊りに反映されるでしょう。
人口の少ない地区ですが、皆さんの協力で国の重要無形民俗文化財「綾渡の夜念仏と盆踊り」を守って行きましょう。
それが取りも直さず綾渡が元気でいるみなもとだと思います。
  


Posted by 一道 at 15:22Comments(0)